福島の漁業
JF福島漁連






漁業の種類 | 生産量と生産額 | 輸入と消費 | つくり育てる漁業と資源管理型漁業

■生産量と生産額
 平成8年に福島県に所属する漁船などが水揚げした生産量は、14万7千トン、生産額は319億円でした。遠洋漁業の漁獲量は、「200海里時代」が始まった昭和50年頃から減少しています。また、沖合漁業の漁獲量が昭和62年から減少しているのは、主にマイワシ資源の減少のためです。一方、沿岸漁業の漁獲量は、わずかですが増加傾向にあります。日本の漁船が外国の海で自由に魚を獲ることができなくなった現在、沿岸漁業は重要になってきました。

■輸入と消費
 1994年(平成6年)、世界の漁業生産量は、約1億2千万トンでした。このうち日本の生産量は、810万トンで、中国(約2600万トン)、ペルー(約1200万トン)に次いで、世界で第3位となっています。また、日本は、世界の水産物輸出量の15.6%を占める330万トン(金額で1兆7千万円)を輸入する、最大の輸入国でもありました。
 日本の国は周囲を海に囲まれ、日本人は古来から米等の穀物を主食に、魚介頴を副食としていました。水産物は、優れた栄養や機能性成分を含む食品として、高い評価を得ています。また、先進国での水産物の消費も年々増加しています。
 日本人が好むエビ、マグロなどは、国内の生産量だけでは間に合わないので、不足分は輸入に頼っています。水産物の国内需給率は、昭和60年には86%でしたが、平成7年には59%まで低下しています。
 ところで、世界の人口は西暦2010年までには、70億3200万人に達し、人類1人当たりの魚介類消費量がこれからも同量と仮定すると、現在の生産量のままでは今後1900万トンが不足するという試算もあります。できるだけ外国からの輸入に頼らないで水産物を確保すろようにしていくことも必要と考えられています。
【目とその周辺】
ビタミンAと血液。皮膚をしなやかにする多糖質が多い。DHAが多い(目の裏側)。

【内臓】
魚肉に含まれるカルシウムとリンを身体で有効に働かせ、骨にする役目のビタミンDを含む。

【骨】
カルシウムなどのミネラルが豊富。

【普通肉】
良質のタンパク質を多く含む。

【皮下脂肪】
血中のコレステロールを低下させるEPAや脳の成長や発達を助けるDHAがいっぱい。

【血合肉】
タウリン・鉄分が多く含まれる。普通肉よりビタミン類が豊富。

 
【カルシウム】
●骨・歯をつくる
●いらいら・ストレスを解消する
●骨粗鬆症を防ぐ

【鉄】
●血液をつくる
●臓器の働きを正常に保つ
●貧血を防ぐ

【DHA(ドコサヘキサエン酸)】
●脳の成長・発達を助ける
●細胞を活き活きとさせる

【タウリン】
●視力の衰えを防ぐ
●血中のコレステロールを低下させる
●動脈硬化・高血圧・肝障害・精神障害を予防する

【EPA(イコサペンタエン酸)】
●血中のコレステロールを低下させる
●動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中を予防する

【タンパク質】
●身体の成長・維持に役立つ
●代謝を盛んにし、身体に活力を与える

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■つくり育てる漁業と資源管理型漁業
 これまでの漁業は、単に「捕るだけの漁業」でした。
 しかし、今では、魚の住みかとなる魚礁を設置したり、人工的に魚などの種苗(稚魚)を作り放流するという「つくり育てる漁業」や、水産資源を獲りすぎないようにするため、禁漁期、禁漁区、漁法の制限などを、国や県の規制によらず漁業者自らが決めて、資源を管理する「資源管理型漁業」に変わりつつあります。
 さけの「自分の生まれた河川に戻る」という性質を利用した、人工ふ化放流事業は明治時代から始められました。浜通りにある木戸川や泉田川などの12の河川から放流される稚魚は毎年約5000万尾で、放流した4年後に川や海で約50万尾が捕獲されます。
 福島県大熊町にある(財)福島県栽培漁業協会では、ウニ、アワビ、ヒラメなどの種苗を生産し、これらの種苗は県内の各漁場に放流されています。また、栽培漁業協会に隣接する水産種苗研究所では、新しい種苗の研究開発に取り組んでいます。

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